観てから読むか。読んでから観るか。(4)
高校教師の経験のあるスティーブン・キング(以下キング)は実に博学。かつ文作が詳細かつ綿密なのはすごい。
今回はホラーの巨人キング初期の傑作『ミスト』とDVD『THE MIST』のご紹介。
先日の金曜日午後、左足の小指の神経を痛めた僕はびっこ(放送禁止用語かな)をひきながら近くの図書館に。書棚をぶらぶら回遊していた。僕の思いが誘うのだろうか、キングの『死の舞踏 ホラー・キングの恐怖読本』の前で僕の足がとまった。全10章。第6章「現代アメリカのホラー映画」を読み始める。
この日僕は、この本と文春文庫の「ミスト」を探しだして借りて帰宅。翌日DVDレンタル屋PONTAで「THE MIST」(レンタ料金150円)を見つけて書斎に帰った。

MIST

ミストDVD

この二作ラストが真逆なのでビックリ仰天。
のどかな田舎町を突如襲った正体不明の”霧”。それが町を包んでゆく。身動きがとれずスーパーマーケットに取り残された人々。その中にデビッドとビリーがいた。
霧の中には”何か”がいる。生き残った人々は団結して戦うしかないのだが・・。
映画の監督はフランク・ダラボン
DVDの裏書の『映画史上かってない震撼のラスト15分』
そして薄れゆく霧のなかから出現するのは・・

キングの小説は少年少女にいつも温かいけれど、映画はあまりに悲しい。
by the way
前出の「恐怖読本』第6章テキストとサブテキストの中でキングはこう述べている。
「死には良い死と悪い死がある。たいていの人間は80才になってから、ベッドの上で安らかに息をひきとりたいと思う。自動車にじわじわ押しつぶされたり、列車事故や飛行機事故で死にたいとは思わない。多くにホラー映画はこの悪い死に対する恐怖心から最高の効果をひきだしている。

『遊星よりの物体X』(1951年クリスチャン・ナイビー監督)は、50年代の映画として初めて科学者に宥和主義者の役をわりふった。この連中は臆病風に吹かれたり、とんでもない考え違いをしたりして、結局はエデンの園の門を開けて悪を招き入れてしまった」

キングの選んだ  【夜と闇 ナイト&ダーク】映画のベスト3
①暗くなるまで待って②ハロウィン③コーマ
三作とも観てる人、キングのホラークラブにおいでください。

深夜のなぎさ公園